「まゆみの法則」「ま」「待つ」ということ。

私たちは二十歳を過ぎるまで、親にご飯を食べさせてもらうのは当たり前、学校に行かせてもらうのは当たり前、服を買ってもらうのも当たり前、そうやって一人前になるまで待ってもらうことで育ててもらいました。

そしてある日、社会に飛び出していきます。

 

では、会社ではどうか。私たちの多くは自分が待ってもらったことを忘れてしまっています。

本当は、いろんな失敗を重ねる中で、技術など様々なことを身につけてきたのに、新しい人に教える立場になると、なんで、一回でできないんだって怒ります。

私たちは、みんな待ってもらうことで育ててもらってきたんです。

そしてある時がくればほとんどみんな普通にできるようになっていく。できる人がリーダーになります。

そうすると、できない人がなんでできないのか、ほとんど良く分かりません。

 

歌のうまい人は一回曲を聞いただけで、直ぐ歌えるようになります。その人にとっては、なぜ音痴な人がいるのかがよくわかりません。自分がもらった能力が高ければ高いほどできない人のことが分かりにくかったりすることがあるのです。その時に「待つ」ということが必要なんですね。

 

次に、「ゆ」「許す」こと。自分の小さな正義で人を許せない時があります。

でも、私たちは、みんな許してもらってここにいるんだと思います。

ほとんどの人が、人様に迷惑をかけているなんて思ってもいないかも知れない。でも、人様を傷つけたりするような行動や言動があると、私たちはいつも自分が被害者になった時だけそのことに気づきます。

 

例えば、AちゃんとBちゃんがいて、私はAちゃんと意見が合わないとします。Bちゃんと「Aちゃんってどう思う?」

「おかしいよね」と言っていても、これということはありませんが、AちゃんとBちゃんが二人だけで「今野ってどう思う?」って聞こえてきたら、それだけで傷つきますよね。

自分が発している言葉には気づきません。でも、他の人がそれと同じことを言っていたら自分は傷つく。ですからそういう時に、「許す」ということを思い出してみて下さい。

 

最後の「み」「認める」こと。

人はいくつになっても、自分のよさに気づけないままでいることがあります。もっと背が高かったらとか、いろいろと思うことがありますね。

自分のよさというものについて、なかなか知る機会がなかったりすると、それが悩みにもなったりします。

 

私たちは三十八億年かけてここに来ました。

その間、誰一人同じ人はいなかった。そんな自分が果たしてこれでいいのか、分からない時がある。

そこにもし、あなたが持っているものが一番素晴らしいと、その人の良さを教えてくれる人がいれば、それがどんなに心の支えになることか。

その人が人生の師匠、もしくは会社の上司であったり、その人が自分にとって一番素晴らしいと思える人だったら、どんなにかその人にとっての人生の目標になっていくか。相手を「認める」ということは、そういうことに繋がっていくんですね。』

今野 華都子 エステティシャン  「生き方の教科書 12月4日」から