先達の言葉、ことわざなどには、「上手いこと言うな」というものが沢山あります。
どこかで目にしていて、頭の中の引き出しに知らぬ間に仕舞われている、
そして、ふとした瞬間にそれらの言葉が出てくる、なんてことはないでしょうか。

「ほめ達」は、「人・モノ・出来事」に対して、独自の切り口を見つけ、
その新たな切り口から価値を見つけられる人です。

「切り口」といえば、何か「切り口」に関することわざがあったな・・・
と思い返してみると、思い出しました。

「丸い卵も、切りようで四角」

この言葉は、「ほめ達」の「切り口」の説明にピッタリというわけではなく、
むしろ逆の意味での切り口を説明したものです。

丸い卵も、切り方によっては、四角になるよ。
すなわち、ものも言い方次第で角が立つ、
言葉の使い方、伝え方に気をつけましょうという意味のことわざです。

ちなみに、このことわざの意味を調べる中で面白い記事を発見しました。
「卵」と「玉子」の言葉の意味を知っていますか?という内容のものでした。
もうすでにこの二つの言葉の意味をご存知の方も多いかと思いますが、
私は一瞬「?」となりましたので、その内容をお伝えしますね。
「卵」という言葉の語源には、「殻」に包まれたという意味があるそうです。
したがって、「卵」は殻のついた状態のもの、すなわち調理前、
それに対して「玉子」は食材となった状態、あるいは調理後の姿を指すのだそうです。

話を戻して、「丸い卵も、切りようで四角」ですが、
その通り、同じことを伝えるにしても、伝え方一つで相手に与える感情が全く変わってきますよね。
そのためには、伝え方をどう工夫するかが大切です。
正義の反対は、悪ではない。
正義の反対とは、もう一つの正義である。
この言葉も思い浮かべながら、この言葉を聞いて相手の頭の中に、
どのような認識が浮かぶだろうかということを想像しながら伝えていきたいですね。

自分の心に余裕がないと、難しいことかもしれません。
そんな時には、ぜひこの言葉を思い出して、ゆで玉子を四角に切っている姿をイメージしてみてください。
なかなか手間のかかる作業だと思いませんか。
それならば、ゆで玉子をそのまま、相手に渡してしまう方が、ずっと簡単です。

卵を四角く切ってしまうのは、自分の中のマイナスの感情なのかもしれませんね。
そんなことに意識を向けながら、自分の感情を整えていきませんか。

「ほめ達!」西村 貴好の「心をひらく!魔法の言葉」vol.276より